オプションの500 °C予熱: 初品から良品

金属3Dプリンタで、亀裂や層間剥離のない大型部品の製造が実現します。TruPrint 5000でオプションの500 °C予熱を利用すれば、Ti64、H11又はH13製の部品のプリントが、高い品質とコスト効率で、不良品や材料の無駄遣いなしで実現します。

Ti64、H11又はH13から成る大型部品では、造形プロセス中の冷却工程が急速すぎることが原因で、亀裂、応力や層間剥離などの特徴的な欠陥が頻繁に発生します。そうなってしまうと、その部品は全く使い物にならなくなります。

500 °C予熱を利用した申し分のない3Dプリントは、航空宇宙産業、医療業界とエネルギー業界でのデリケートで要件の高い精密部品に特に役立っています。

TruPrint 5000で500 °C予熱を利用すれば、H11又はH13を材料として、精度だけでなく、堅牢性と耐久性も極めて高いダイとモールドを積層造形することができます。

500 °C予熱オプションを利用することで、Ti64カンチレバーの変形が95 %低下します。このことが、自社研究並びにアーヘン工科大学Digital Additiv Production DAPとの共同研究で明らかになりました。

予熱温度が200 °C足らずであると、チタンTi6AI4V製カンチレバーで明らかに確認できる残留応力と変形が発生します。

500 °C予熱オプションを利用してカルダンサスペンション/ベアリング (英語「gimbal」) をプリントすると、Ti6AI4V部品での残留応力が大幅に低下します。その結果デザインで、特に比較的堅牢な部品の設計で全く新しい可能性が切り開かれます。

200 °Cに予熱して3Dプリントしたジンバルでは、残留応力が明らかに発生しています。500 °Cの場合と比較して、必要なシミュレーションとサポート構造の数が増えるため、準備作業と後処理に掛かる手間も大幅に増えます。

500 °C予熱オプションを利用しながらH11を材料としてプリントし、高光沢研磨したコアは、亀裂がなく、密度が99.9 %以上の状態に仕上がっています。その数字が示す通りに研磨性も高く、従来の工法との違いに気付くことはありません。冷却性能は銅と同じレベルですが、冷却ダクトを一体化することで、射出成形によるプラスチック部品の生産を安定して行うことが可能になり、サイクルタイムの大幅な短縮も実現しました。