フルフィールドマルチレーザ (2 x 500 W) では、どのレーザもビルドスペース全体を照射することができます。その結果、生産性が向上し、部品あたりの製造時間が短縮され、部品コストが低下します。精度をより一層高めるため、マルチレーザスキャンフィールドは自動的に相互に校正されます。それにより、継目が全くない極めて高い表面品質が得られます。オプションのフルフィールドマルチレーザは、ビーム径80 µmの高出力TRUMPFファイバレーザ2体から構成されています。
産業用積層造形に適したフレキシブルなソリューション
TruPrint 3000は、工業用部品/粉末マネジメントを搭載した汎用型中サイズマシン (レーザメタルフュージョン / 粉末床溶融結合 / レーザ粉末床溶融結合) です。金属3DプリンタTruPrint 3000では、TRUMPFの500 Wレーザ2体を搭載したフルフィールドマルチレーザがオプション装備可能になったため、今後は積層造形の連続生産での柔軟性、品質と生産性がより一層向上します。
生産性は部品形状に関係なくほぼ2倍になり、部品コストの大幅な削減が実現します。ビルドジョブ進行中にマルチレーザの自動監視と校正が行われるため、プリントしたマルチレーザ部品で最高レベルの品質が得られるようになります。それに加えて、不活性ガス誘導での最新技術も、部品の品質と再現性の向上に貢献します。なお上記は、ビルドジョブと並行してメルトプールモニタリングを使用して記録されるため、 医療分野などでの証明義務を満たすことができます。
TruPrint 3000は、お客様それぞれの要件に合わせて極めて柔軟に調整可能です。直径300 mm、高さ400 mmの造形サイズが魅力の同機は、多種多様な業界で使用されています。部品のサイズと複雑度、ご希望のワークフローと生産量に応じて、内部取り出しと外部取り出しから柔軟に選択可能であり、どちらの場合でも不活性ガス下で行われます。また後者の場合は作業が主要工程と並行して行われるため、3Dプリンタのダウンタイムが最小限に短縮されます。
一定の部品品質を可能にする新開発の不活性ガス流
ビルドスペース全体を同時に照射して生産性を最大限に向上
部品/粉末マネジメント向けに様々な機械/周辺機器構成が可能
メルトプールモニタリングでビルドジョブ中に高い品質水準を確保
不活性ガス下での簡単な部品/粉末ハンドリングが一定の部品/粉末品質に貢献
TruPrint 3000
| |
---|---|
設置サイズ(シリンダ) | 直径 300 mm x 400 mm 高さ |
加工可能な材質 | ステンレススチール、工具鋼、アルミニウム、ニッケルベース、チタン合金等の粉末状の溶接可能な金属。利用できる最新の材質およびパラメータに関する情報はお問合せください。 |
予熱(標準) | 最大 200 °C |
加工品の最大レーザー出力(TRUMPF ファイバレーザー) | 500 W |
ビーム径(標準) | 80 μm |
ビーム径(個別に調節可能) | 100 - 500 μm |
層厚 | 20 - 150 μm |
構造比率 | 5 - 120 cm³/h |
最小の測定可能な酸素含有量 | 最大 100 ppm |
電源および消費電力 | |
電源 (電圧) | 400/460 V |
電源(電流) | 32 A |
電源 (周波数) | 50/60 Hz |
保護ガス | 窒素、アルゴン |
構成 | |
寸法(フィルタ含む)(幅 x 高 x 奥行) | 3385 mm x 1750 mm x 2070 mm |
重さ (パウダーを含む) | 4300 kg |
ダウンロード形式で用意された全製品バリエーションの技術データ。

TruTops Print、ソフトウェアパッケージSiemens NX搭載
積層造形用のプロセスチェーンの開始点は、3D設計/造形プログラム向けのデータ準備です。Siemens社の開発パートナーとしてTRUMPFが提供するソフトウェアパッケージ「Siemens NX搭載TruTops」は、統一されたユーザインタフェースを持ち、システムダウンのない一貫性のある初のソフトウェアソリューションです。ソフトウェアソリューションの優れたプロセスチェーンは、高いプロセス安全性を提供します。その理由は、金属部品の開発、シミュレーション、3DプリントとNCプログラミング用ツールが一つのシステムに統合され、結果としてSTL形式へのデータ変換が不要になるからです。さらにソフトウェアパッケージには造形ジョブのスライシングとハッチング並びにパラメータ管理を行うTRUMPF Build Processorが統合されています。明確なワークフローにより時間と費用を節約できます。
マルチレーザをオプション装備することで生産性が向上します。それぞれ出力500 W、ビーム径55 µmのTRUMPFファイバレーザ2体がビルドスペースに同時に光を当てることでフレキシブルな生産が可能になり、同時間内に生産できる部品数が最大80 %増加します。そのため納期が短縮され、受注に極めて柔軟に対応できるようになります。また、各輪郭に1体のレーザーから光が当てられるため、「継目」は全く発生しません。フルフィールドマルチレーザーは100 %のオーバーラップで動作します。自動マルチレーザーアライメントをオプション装備することにより、ビルドジョブ進行中にマルチレーザースキャンフィールドの監視と相互の校正が自動的に行われ、マルチレーザー部品の最適な品質を保証します。
外部取り出しの代わりにオプションの統合型粉末供給装置を使用すれば、完成した部品に付着している粉末を造形プロセス後にプロセスチャンバー内で不活性ガス下で取り除くことができます。高さが400 mmまでの部品を内部で取り出すことが可能です。
TruPrintビルドチャンバーに統合されたカメラと自動画像処理を介して、粉末床を自動的に監視することができます。それにより、部品の状態を常に把握し、品質パラメータを一層毎に分析することが可能になります。オプションの自動敷き詰め直し機能により粉末の欠如が検知されると、該当する層に自動的に新たに粉末が敷き詰められて、不良箇所が修正されます。
レーザー溶融プロセス規定値からの逸脱をセンサーで早期に検知して、部品の際どい領域を可視化することができます。また、全ての溶融池を並行して監視することも可能であり、それはオプションのフルフィールドマルチレーザーで特に役立ちます。
TruPrintには証拠を提供する義務を果たすための様々なオプションをご用意しています: マルチレーザー、フォーカス位置測定、スキャンフィールド校正にも対応するLaser Power Calibrationは、測定及び必要に応じて再校正し、測定結果を文書化することが可能です。

積層造形向けのモニタリングソリューション
TRUMPFのインテリジェントなモニタリングソリューションにより、TruPrintマシンの造形プロセスの高度な監視と分析が可能になります。そこでは、センサーに基づくデータが検出され、加工されます。ラインナップには、プロセス (メルトプール及びパウダーベッドモニタリング)/コンディション/パフォーマンスモニタリング向けのソリューションが含まれています。モニタリング結果は、直接TruPrintマシンのHMIで見ることができます。TruTops Monitorでは更に全所有機械に関する完全な透明性が得られ、デスクトップから又はMobileControlアプリを介してモバイルで機械にリモートアクセスできるようになります。
工業レベルの大量生産にとって決定的な意味を持つのは、粉末と部品の最適な取扱いです。TRUMPFの工業用部品/粉末マネジメントにより、1台または複数の機械でのセットアップと取り出しを主要工程と並行して行うことが可能になります。これはお客様にとって生産性と経済性の向上を意味します。標準インタフェースに加えて、様々な取り出し方法、フィルターソリューションと保管方法が幅広く用意されているため、極めて柔軟に装置を構成することが可能です。
国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。 現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。
脚注- 真空コンベヤとの併用