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勇気のある決断を下しながらスマートファクトリーを目指す

台湾に拠点を置くAirforce Laserでは、生産現場をひと目見ただけで、 板金加工の未来の姿が既に現実のものになっていることが分かります。Airforce Laserは、ラリッサ・チャン氏、その旦那様と経験豊富な経営者によって2004年に設立されました。ですが、この経営者が経営から身を引くことになり、ラリッサ・チャン氏は突然自ら取締役として経営の舵を取る必要に迫られました。向上心を持って一生懸命頑張りながら、経営のノウハウと板金加工に関する知識を習得していくことになりました。そこで後ろ盾となったご息女のグレース・ジャン氏は、現在は同社でロジスティクスとマシンのプログラミングを担当しています。競合他社との差別化を図るため、チャン取締役はAirforce Laserの市場でのポジショニングをフルサービスプロバイダーに設定し、顧客の要望に合わせた小ロット生産に特化することを決断しました。そこで必要なオートメーションとデジタル化に関して、同取締役はTRUMPFからサポートを受けています。

Airforce Laser

www.airforce.com.tw

2004年に設立されたAirforce Laserは、板金加工のプロセスチェーン全体に沿った製品とサービスを提供しています。最新のマシンを所有し、品質と納期厳守を非常に重視している同社は、部品設計で顧客をサポートし、パーツとコンポーネント全体の両方を一手に供給しています。そして、オートメーションとデジタル化を活用することで、カスタマイズ型小ロット生産に関して、台湾市場で重要なサプライヤーとしての地位を確立するに至っています。

業界
金属加工
従業員数
25
事業拠点
台中市(台湾)
TRUMPF製品
  • TruTops Fab Quickjob
  • TruTops Fab Production
アプリケーション
  • レーザ切断
  • 曲げ加工
  • パンチング
  • ソフトウェア

課題

ラリッサ・チャン取締役は、経営と板金加工領域で欠けている知識と経験を、熱意、努力と向上心で補っています。そうすることで、男性が圧倒的に多い業界にわずか数年でしっかりと足を踏み入れています。ですが、チャン取締役はそれだけで満足せず、競合他社を追い越し、自社を未来に向けて準備しようと考えました。 「そこで、大量生産から敢えて撤退し、お客様の要望に合わせた小ロット生産に特化することにしたのです。これは可能性を秘めたニッチ市場でした」と同取締役は説明しています。

早めに考え方を変えたことで、Airforce Laserは競合他社に対して大きな優位性を築き、数年間にわたって多くの顧客を獲得することに成功しました。しかし、受注量の増加に伴って、製造実行システム(MES)、すなわち同社の生産管理システムが限界に達してしまったのです。その理由はこうです。個々の作業ステップの作業指示書は、従業員が手作業で登録していました。「そこでミスが大量に発生しました。言葉の問題が原因でした」とチャン取締役は説明しています。「台湾では、高度な訓練を受けた専門人材が不足しています。そのため、従業員の多くはベトナム出身ですが、大部分は中国語を読むことも理解することもできないのです。」

その状況を受けて、チャン取締役はデジタル化とオートメーションを導入することに決めました。これは、同社が再び型にはまらない戦略をとり、インダストリー4.0の実現に向けて企業方針を早い段階で定めたことを意味します。この過程で、TRUMPFは最初からサポートを提供し、TruConnectコンサルティングの一環としてTruConnectソリューションを提案しました。

個々の作業ステップのプログラミングでも、生産でも、効率を50パーセント高めることができました。

ラリッサ・チャン
Airforce Laser取締役

解決策

チャン取締役は、TRUMPFの生産管理ソリューションOseon QuickjobとOseon Productionに投資しました。その後短期間で、受注管理と生産現場での報告方法が変わりました。個々の製造工程で起きたことを、マシンが自動的に報告するようになったのです。従業員は、オーダー・生産ステータス、マシンの運転状態と在庫に関するリアルタイムデータにアクセスできるようになりました。これまでなかった透明性が確保されたことで、生産現場でのボトルネックや問題が早めに発見され、それに応じてプロセスが改善されるようになりました。

「真っ暗闇の中で、明るい光を付けたような感覚でした。突然自社プロセスをこれまでよりもはるかに明確に理解できるようになったのです」とチャン取締役は述べています。「その結果、改善の余地を素早く見つけられるようになりました。これは、品質レベルの向上とリードタイムの短縮に役立っています。」同社はそうすることで、2020年末までに、個々の作業ステップのプログラミングでも、生産でも、効率を50パーセント高めることに成功しています。「TruTops Fabが製造オーダーをマシンに自動的に割り振っています。それにより、マシンの稼働率が最大限に高まっています」とチャン取締役は説明しています。TruTops Fabを使用することで、顧客オーダーを短時間で同時並行で処理することが可能になっているほか、板金部品にラベルを印刷する作業などの生産プロセスをこのソフトウェアに任せられるようになっています。

チャン取締役は、最初は疑い深い目で見ていた従業員も、今ではスマートファクトリーの実力を完全に確信していると前置きした上で、次のように述べています。「このソフトウェアは、作業器具の段取りに役立っています。例えば曲げ加工では、以前はテンプレート図を印刷して作業していました。 それが今ではデジタル化され、システムから直接呼び出せるようになっています。」

 

実行

「中国の太倉にあるTRUMPF Chinaの板金加工現場を見学して、TruConnectソリューションを導入することに決めました」とチャン取締役は語っています。「そこの生産現場にとても感銘を受けて、最初は、自社の板金加工が将来どうなるのかを想像することはできませんでした。」その後、スマートファクトリーへの道のりは比較的平易なものになりましたが、その理由は、Oseonモジュールが既存のプログラミングとTRUMPFマシンに合っていて、Airforce Laserの生産現場に簡単に統合可能であったためです。

展望

「TRUMPFの従業員は板金の世界に精通しており、最初の構想から実装まで、専門知識のある大切なパートナーとして支えてくれました」とチャン取締役は説明し、次のように続けています。「生産がスピードアップし、不良品が削減したことで、 準備期間があまりない場合でも、お客様それぞれの要望に応えやすくなっています。従って、この新しいソリューションを更に拡張していくのは自然の流れと言えるでしょう。当社では、ソフトウェアOseon Logisticsを導入し、2番目のTruStoreシステムを統合することで、マテリアルフロー管理を改善していきたいと考えています。」 このように述べているチャン取締役は、同社の未来が明るく、いつか安心して経営をご息女に任せられる日が来ることを確信しています。

製品に関する詳細情報

TRUMPF Oseonのキービジュアル
生産管理ソフトウェアOseon

Oseonは、生産・マテリアルフロー管理向けの包括的なソリューションとして、ユーザーとそのプロセスを一貫してサポートし、プロセスの透明性の確保に貢献します。このソフトウェアを使用すれば、ユーザーは適時に適切な場所でユーザー固有の関連情報をすべて受け取ることができるようになります。これを実現するために、Oseonには板金プロセスチェーンの生産制御とロジスティクスシステムの利点が組み合わされています。標準インターフェースが搭載されているため、既存の設備、オートメーション、システムとの統合を簡単に行うことができます。結果として、生産チェーン全体に沿ってシームレスな情報の流れがもたらされます。

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期日:2023/11/08