チェコのSinop社は、業務用の冷却ユニット、ドリンククーラーとドリンクサーバーの設計と製造を行っています。ヨーロッパのプレミアムセグメントで成功するため、同社は1995年の設立直後に最先端技術に投資しました。「お客様は極めて要件の高い食品市場に合わせて、非常に高い品質を求めています」とヴァーツラフ・クリシュ生産部長は述べています。そのため、工場には最先端の工作機械がずらりと並んでいます。それは他社にも知れ渡り、2000年前後には自国の産業界の関心を持った企業からの問い合わせが増えるようになり、仕事を代わりに受け持ってくれないか、という打診がSinopに来るようになりました。それは、収益性の高い新しい事業分野の開拓につながりました。Sinopはジョブショップとして、多数の提携パートナーを支援しています。「アプリケーションポートフォリオが豊富な当社は、当社と同じように高品質コンポーネントを必要としている企業をどのような場合でもサポートすることができます」とクリシュ生産部長は説明しています。
チェコのSinop SMP s.r.o.には事業の柱が2本あります。主要な事業分野は冷却技術です。この分野では、幅広いラインナップの冷却装置を食品業界向けに製造販売しています。それに加えて、Sinopはジョブショップとして自国の産業界向けに事業を行っています。
課題
Sinopでは、提携パートナーの高い要件を満たすために新しいマシンに投資する必要性に迫られています。特にレーザ溶接作業に対する需要が急増しています。自社製品に関しても、優れた技術を提供することが求められています。その一例が、ヒット製品であり、飲食店向けのソーダメーカーであるSoda Streamです。その配管系では高品質の溶接シームが必須になっています。そうでないと、突き出ているエッジのところに細菌がこびりつく可能性があるからです。「これはレーザでなければできません」とクリシュ生産部長は強調しています。溶接プロセスは、製品の生産ラインで行われている多数の板金加工工程の1つに過ぎません。水切りラックはバリ取りし、ハウジングには角を付け、ドリンクサーバーのシングルパーツは裁断しなければなりません。Sinop製品の多数では、垂直統合型生産が非常に進んでいますが、それにはデメリットもあります。 「ここ数年、生産管理において全体像を把握し続けることが次第に難しくなってきました」とクリシュ生産部長は述べています。
解決策
Sinopはレーザ加工機TruLaser 5030 fiberを購入しました。板金加工作業者は最初から、レーザカッティング以外のことも視野に入れていました。「レーザを将来的に溶接にも使用する選択肢を残しておきたかったのです」とクリシュ生産部長は述べています。その言葉通り、間もなくレーザ溶接セルTruLaser Robot 5020も追加されることになりました。
実行
レーザネットワークで、TruDiskレーザからTruLaser 5030 fiberにもTruLaser Robot 5020にもレーザが供給されるため、レーザ溶接を低コストで開始することができました。「ですが、レーザ溶接作業に対する需要が急増したため、早くも1年後に2台目のTruLaser Robot 5020を購入することになりました」とクリシュ生産部長は思い起こしています。垂直統合型生産で、いつの間にかレーザ溶接の生産能力が高くなりすぎて全体のバランスが崩れることを防止するため、クリシュ生産部長をリーダーとするチームは生産ソフトウェアTruTops Fabを使用することにしました。この重要な決断を下したことで、生産のリアルタイム監視が可能になり、生産プロセスの相互調整が行いやすくなっています。
展望
「TRUMPFからは依然として工程改善に関するアドバイスを受けています」とクリシュ生産部長は述べています。「それは全従業員に大いに役立っています。」つまり、マシンに関してもオペレータに関しても、Sinopでは優れた生産体制が構築されており、新たな高い顧客要件に対応できる準備が整っていると感じています。
TruLaser 5000シリーズは、TRUMPFのレーザ加工機の中でパワフルな部類に属します。その特に大きな魅力は、厚い軟鋼でも複雑な輪郭でも速い加工速度で高品質なパーツが得られるところにあります。スマートなアシスタンスシステムが装備されているため、オペレータの拘束時間と非生産時間が短縮され、これまで以上に高い経済性と信頼性で生産することができます。
TRUMPFのレーザ溶接設備を使用すれば、金属とその他の素材を高い溶融温度と熱伝導率で迅速かつ極めて正確に溶接することができ、高品質の外観を有する溶接シームが手作業による後処理なしで得られます。しかも当社の設備は、大ロットで高い繰り返し精度が求められる場合にも、ロット数が変化して更に柔軟に対応することが必要になる場合にも適しています。
