アイデアの中には、天才的でありながら驚くほどシンプルなものがありますが、養殖と太陽光発電を組み合わせた台湾西海岸のプロジェクトは、まさにそれに該当します。台湾の板金加工専門業者INTER-TECHが設置した総出力350メガワットのソーラーパネルが、約350万平方メートルの面積にわたって養殖場の生簀を覆い、日よけとして利用されています。INTER-TECHのエドワード・リュウ社長はこう説明しています。「ソーラーパネルが生簀を覆うことで光合成が阻止され、それに伴って藻の発生が抑制されることで、水質が向上しています。また、強雨による水質の変化も防止されています。」
INTER-TECHではソーラーパネル架台システムを通して、利用面積を増やし、腐食防止効果を高め、生産体制を気候中立に近づけています。
再生可能エネルギー発電割合20パーセント
台湾は既に何年も前から太陽光発電を国家プログラムで助成しており、その資金は技術的なイノベーションの開発にも流れています。同国では、2050年までに気候中立を達成することを目指しており、その過程として、再生可能エネルギー発電割合を2025年までに約20パーセントに上げることが目標として設定されていました。「本来は、2025年までに20パーセントに上げることになっていましたが、この目標の達成時期は1年延期して2026年になりました。」リュウ社長はこう述べて、次のように説明しています。「その理由は、国内規制の変更、土地不足、台風が多い天候と地震、専門人材不足、サプライチェーンの問題です。」この課題にINTER-TECHでは、養殖と太陽光発電を組み合わせたプロジェクトなどのアイデアで、少なくとも部分的に対処しようと考えています。
天候に対抗するアイデア
INTER-TECHは10年弱前に、Metal Industries Research & Development Centreから依頼を受けて、ソーラーパネル架台システムの理論的なモデルから、実践的な製品を生み出すことになりました。そして台湾の鉄鋼販売業者Hkssteelと協力して、架台システムに適した材料を共同開発しました。「架台は耐腐食性でなければならず、強風、台風やマグニチュード8までの地震に耐えられなければなりません」とリュウ社長は説明しています。Hkssteelがこの用途向けに専用開発した合金は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛とニッケルから構成されており、この要件を満たしています。表面が滑らかなこの材料は、高い強度と耐腐食性を有しています。
37秒で完璧な曲げ部品が完成
INTER-TECHは理論的なモデルに基づいて、独特なソーラーC型架台の開発を支援しました。「フレームと架台構造は約100個の単部品から構成されており、どの部品も正確に製造しなければなりません」とリュウ社長は述べています。そこで同社長は、TRUMPFのTruLaser 3060 fiber 6 kWレーザ切断機、出力24 kWのTruLaser 3030 fiber、そして自動ツールチェンジャーを装備したTruBend 8320曲げ加工機に投資しました。同社長によれば、「これらのマシンでは、長さが最大6メートル、板厚が32~40ミリメートルの板金を加工することができます」とのことです。C型架台用の材料は、コイルと呼ばれる巻き上げられた鋼板として搬入され、INTER-TECHではまずレーザでブランク加工し、架台用の穴をあけています。そして、部品をTruBend 8320で曲げ、包装し、トラックに積んでいます。「ワーク搬入と取り出しも含めて、長さ6メートルの加工品の曲げ加工が37秒ちょうどで完了しています」と同社長は誇らしく語っています。これが重要なのは、C型架台製造における最大の課題の一つが、生産量が1,800トンと比較的多いことであるからなのですが、INTER-TECHではこの量を毎月処理しています。「当社が所有しているTRUMPFマシンは生産性が高いため、この生産能力を非常に安定した製造品質で確保することができています」とリュウ社長は満足しています。
明るい未来をもたらすスマートなソリューション
C型架台の単部品の組み立ては、現地で行われます。「既に構想段階で、部品の溶接接合は耐腐食性の面で問題があるので、選択肢から除外しました」とリュウ社長は説明しています。その代わりに、INTER-TECHではボルトによるネジ止めを採用しています。「台湾では比類のないこの方法では、ネジ機構用の特別なソフトウェアを使用して計算して分析する必要がありますが、これは当然のことながら、当社に競争優位性をもたらしています。現時点で、当社は架台をこの品質で提供できる唯一の台湾メーカーなのです」と同社長は述べています。
このプロジェクトはINTER-TECHにとって、一石二鳥になっています。「土地を二重に、すなわちソーラーパークと養殖場の両方に利用しています。そして発電によって設備全体に電力を供給することで、太陽光発電割合の更なる増加に貢献しています。」従って、同社長のところにオーダーが次々と入ってきているのは不思議なことではありません。「次のプロジェクトは内陸部にある農場で、合計出力300メガワットのソーラーパネルが設置されることになっています。ここでは架台システムに電子回路を追加して、パネルの向きを太陽の位置に合わせて調整できるようにする予定です。」
リュウ社長は、TRUMPFとの協力が自社の成功の主要な要素の一つであると考えており、TRUMPFマシンの生産性と製造品質に加えて、TRUMPFチームの働きぶりも高く評価しています。「長さ6メートルの曲げ加工機の購入を検討した際、土台なしで機能する装置を提供できるマシンメーカーは、国内にも国外にもありませんでした」と同社長は振り返っています。「そんな時に、TRUMPFの外勤担当者が紹介してくれたTruBend 8320は、この要件だけでなく、それ以外の要件も完全に満たしていたのです。」同社長がこのマシンの購入契約にサインしたのは、TruLaser 3060 fiberの購入を決めてからわずか1週間後のことでしたが、後悔はしなかったとのことです。「この両機を導入したことで、2021年に年間売上高を75パーセント増加することができました。」
2003年に台湾の台中で設立された家族経営企業INTER-TECHでは、2代目のエドワード・リュウ氏が社長を務めています。同社では先代のヴィンセント・リュウ氏の時代からTRUMPFマシンに投資し、品質が高く反応が素早い板金加工会社としての地位を市場で確立しています。エドワード・リュウ社長は2009年に経営陣に加わり、所有マシンのラインナップをこの数年継続的に拡大しました。現在INTER-TECHは機械製造、半導体、食品、医療、建築業界に部品やアセンブリー一式を供給しています。2024年初頭、INTER-TECHは曲げプロセスの効率向上を目指してプログラミングシステムTecZone Bendを、そして生産プロセスを監視するためにTRUMPFの生産管理ソフトウェアOseonを導入しました。ソーラーパネル用C型架台の製造に関して、深い専門知識を有する同社はこの分野のスペシャリストとしての名声を得ており、この市場セグメントを引き続きより一層拡大していくことを目指しています。











