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VCSEL加熱システムの概要
VCSEL加熱システムの概要
VCSEL 加熱システム

産業用TruHeat VCSELシステム

乾燥、溶接や軟化などの多数の用途に適したダイレクトなレーザ熱処理

VCSEL 加熱システム

産業用TruHeat VCSELシステム

高精度加工のための個別に制御可能な放出ゾーン

産業用TruHeat VCSELシステム

VCSELアレイに基づいたレーザ装置は、広い面積を調整済みの波長選択型赤外線で加熱することができます。TruHeat VCSELシステムは、多数の産業用加熱プロセスで使用されています。高価な光学系やスキャナーシステムなしで処理面に直接照射することが可能であるため、従来のレーザ装置に対してコスト面での大きな優位性が実現します。このシステムの比類のない特長として、正確な制御と赤外線出力の素早い切り替えに加えて、レーザモジュールの小セグメントの独立制御により、立体的加熱形状が任意にプログラミング可能であることが挙げられます。動作中に加熱パターンを動的に変化させることさえも可能です。これにより、例を見ないプロセス柔軟性が実現します。

スケーラブルな出力

出力がkW範囲でスケーラブルであることからメリットがもたらされます。

高い出力密度

照射強度100 W/cm²を誇るため、高いプロセス速度が得られます。

正確に制御可能

VCSELレーザー装置の個々の放射ゾーンはそれぞれ独立制御が可能です。

簡単な統合

堅牢でコンパクトなレーザーモジュールは、工業設備と生産プロセスに簡単に統合可能です。

TruHeat VCSELシステムの仕組みと生産
TruHeat VCSELシステムの放射ゾーンはそれぞれ独立制御が可能です
VCSELの中身をチェック:TruHeat VCSELシステムによるレーザ熱処理の紹介
広い面の熱処理

広大な対象領域に直接均一な熱処理を施せることと、戻り光に対する高い耐性を有していることがユーザーにとってのメリットです。照射強度も100 W/cm²以上と高いため、TruHeat VCSELシステムでは高いプロセス速度が得られます。

加熱形状の柔軟な制御

ユーザーには、加熱出力の正確な制御と、加熱形状の縦方向での自由な制御という利点がもたらされます。

Eモビリティ: 電池膜の乾燥

コーティングプロセス後には、電極膜上の活物質を乾かす必要があります。この工程には産業用VCSEL加熱システムが適しています。なぜならば、VCSELアレイに基づいたレーザ装置なら、広い面積を調整済みの波長選択型赤外線で加熱することができるからです。

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Eモビリティ: パウチセルの封止

パウチセルの封止にTruHeat VCSELシステムを使用すれば、封止の仕上がり品質が向上します。また、VCSEL加熱システムでは従来の方法と比較してプロセス速度が最大で3倍になるため、プロセス時間も短くなります。

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自動車産業でのボディ用鋼鉄部品の局所的な軟化

TruHeat VCSELシステムを利用すれば、高強度鋼鉄部品の選択的な軟化が簡単かつ素早く実現します。これは特に自動車製造に多数の利点をもたらします。

ウェーハ加熱

VCSELレーザは半導体業界で、Rapid Thermal Processing (RTP: ラピッドサーマルプロセス) によるウェーハ加熱に使用することができます。TruHeat VCSELシステムを使用すれば、個々の加熱ゾーンを極めて巧みに制御することができるため、ウェーハの迅速かつ均一な加熱が実現可能になります。温度上昇速度は摂氏数百度/秒に到達可能です。

半導体生産: レーザアシストボンディング (LAB)

レーザアシストボンディング (LAB) は、接続エレメントとしてはんだボールを使用してフリップチップをプリント基板上に配置するものです。TruHeat VCSELシステムがチップを上から照射すると、レーザエネルギーがシリコンチップを透過し、チップとプリント基板の間にあるはんだボールを溶かします。VCSELベースの加熱システムでは、他のソリューションの場合よりも大きな加熱面が得られ、より高い出力オプションが利用できます。

半導体生産: レーザーアシストソルダリング (LAS)

レーザアシストソルダリング (LAS) は、VCSEL赤外線熱処理によって、はんだボールを直接プリント基板上のはんだパッドと接続するものです。これは、より小さなはんだボールやピッチを使用する場合に特に便利な方法です。VCSEL加熱システム技術は、高精度な加熱と最高品質のはんだ接合を実現します。また、LASプロセスはプリント基板の長寿命化にも役立ちます。

プラスチックを使用した積層造形

選択的レーザ焼結(SLS)として知られている方法では、集束レーザ光がプラスチック粉末を局所的に溶融し、コンポーネントを生成します。これは、3000を超える個別に制御可能なレーザ(VCSELアレイ)を含むTRUMPFの非常に革新的なTruHeat VCS​​ELシステムによって可能になります。したがって、1つまたは2つのレーザが建設エリアをスキャンする従来の3D プリンタと比較して、生産速度は10倍に向上します。とりわけ、プラスチック射出成形のアプリケーションは、このテクノロジーを使用して生産性を高めることができます。

レーザーメタルフュージョンによる部品製造

金属を使用した積層造形(予熱)

金属製の大型コンポーネントを3Dプリントした場合は、熱勾配が焼結パーツに悪影響を及ぼすことが少なくありません。上からのVCSELのレーザ加熱で、応力を最小限に抑えることができます。レーザ熱では、プリント部分にかかる熱応力や歪みが大幅に軽減されるからです。こうして、部品の機械特性を向上できます。

家具用パネル製造で大型プラスチック部品を素早く接合

均一に照射される加熱ゾーンで高い照射強度が得られるため、大型プラスチック部品の迅速な溶着という利点が得られます。このモジュールは寸法が小さいため、極めて簡単に統合可能です。

太陽光発電:レーザによる同時焼成プロセス、超高速再生とライトソーキングプロセス

TruHeat VCSELシステムは、例えば太陽電池の接点を選択して焼き付ける工程など、 太陽電池の生産において多くの利点をもたらします。このほか再生プロセスにおいても、セルに集中的に照射することで、欠陥を減らし、エネルギー障壁を破壊して効率を高めることができます。

詳細情報
レーザパラメーター          
波長 980 nm 980 nm 980 nm 980 nm 980 nm
レーザ出力 2.4 kW 9.6 kW 19.2 kW 6.4 kW 6 kW
ビーム角度 代表値10°(出力95 %の場合) 代表値10°(出力95 %の場合) 代表値10°(出力95 %の場合) 代表値10°(出力95 %の場合) 代表値10°(出力95 %の場合)
ゾーンの個数 12 個 48 個 96 個 96 個 30 個
放出エリア 40 x 52 mm2 40 x 208 mm2 417.5 x 38 mm2 199.1 x 38 mm2 521.6 x 25.3 mm2
照射強度 typisch 115 W/cm2 typisch 115 W/cm2 typisch 115 W/cm2 typisch 115 W/cm2 typisch 115 W/cm2
レーザクラス 4 4 4 4 4
Optik          
光学エレメント オプションで収束光学系または分散光学系付 オプションで収束光学系または分散光学系付 オプションで収束光学系または分散光学系付 オプションで収束光学系または分散光学系付 オプションで収束光学系または分散光学系付
保護ガラス
二重保護窓、反射防止コーティング

二重保護窓、反射防止コーティング

二重保護窓、反射防止コーティング

二重保護窓、反射防止コーティング

二重保護窓、反射防止コーティング
サイズ          
寸法 幅 87 mm 87 mm 112.7 mm 93 mm 133.5 mm
寸法 高さ 48 mm 48 mm 113 mm 100 mm 87 mm
寸法 奥行 108 mm 264 mm 563 mm 319 mm 652 mm
ドライバユニット          
ドライバユニットの数 1 個 4 個 1 個 1 個 1 個
レーザ制御 代表値10 msの時間定数、レーザ放射ゾーンの個別制御、内蔵型レーザモニタリング 代表値10 msの時間定数、レーザ放射ゾーンの個別制御、内蔵型レーザモニタリング 代表値10 msの時間定数、レーザ放射ゾーンの個別制御、内蔵型レーザモニタリング 代表値10 msの時間定数、レーザ放射ゾーンの個別制御、内蔵型レーザモニタリング 代表値10 msの時間定数、レーザ放射ゾーンの個別制御、内蔵型レーザモニタリング
マシン インタフェース イーサネットベース(EtherCAT®プロトコル) イーサネットベース(EtherCAT®プロトコル) イーサネットベース(EtherCAT®プロトコル) イーサネットベース(EtherCAT®プロトコル) イーサネットベース(EtherCAT®プロトコル)
電源 3相 400V (±10 %)、47~63 Hz 3相 400V (±10 %)、47~63 Hz 3相 400V (±10 %)、47~63 Hz 3相 400V (±10 %)、47~63 Hz 3相 400V (±10 %)、47~63 Hz
インストール          
周辺温度 5 - 40 °C 5 - 40 °C 5 - 40 °C    
湿度 (最大) 20 °Cの冷却水温度で非結露 20 °Cの冷却水温度で非結露 20 °Cの冷却水温度で非結露 20 °Cの冷却水温度で非結露 20 °Cの冷却水温度で非結露
冷却装置 水冷式または空冷式熱交換器を搭載した冷却ユニットが必要 水冷式または空冷式熱交換器を搭載した冷却ユニットが必要 水冷式または空冷式熱交換器を搭載した冷却ユニットが必要 水冷式または空冷式熱交換器を搭載した冷却ユニットが必要 水冷式または空冷式熱交換器を搭載した冷却ユニットが必要
周囲温 5 - 40 °C 5 - 40 °C      
VCSEL加熱システムの概要

TruHeat VCSEL 3000シリーズ

TruHeat VCSEL 3000シリーズの標準モジュールは、2.4 kW、4.8 kW、9.6 kWおよび19.2 kW仕様で入手可能です。標準モジュールは、調整済みで面積の広い加熱用途に使用します。各アプリケーション領域が直接照射され、光学系やスキャナーシステムを追加する必要はありません。

TruHeat VCSEL 3012

TruHeat VCSEL 3012システムは照射強度が比較的低い一方で、幅が広くなっています。従って、電池膜の乾燥に特に適しています。複数のモジュールを連続配置して、乾燥ラインを長くすることが可能です。

特殊ソリューション

VCSEL加熱システムは柔軟性が高く、お客様固有の要件に合わせてカスタマイズすることができます。お客様のアプリケーションに応じて、VCSEL加熱システムの適切な設定を共同で特定していきます。

図示されているコンパクトなレーザモジュールは、32個のVCSELアレイと焦点合わせ光学系を備えており、プラスチックの積層造形や包装資材のマーキングに適しています。なお、各VCSELアレイが個別に制御可能であり、出力は2 Wになっています。

TruHeat VCSELシステムの制御ソフトウェア

Basic Driver Control Software

制御ソフトウェアの基本バージョンは、TruHeat VCSELシステムのレーザチャンネルを手動で制御し、出力を調整する機能を備えています。

Advanced Driver Control Software

制御ソフトウェアの拡張バージョンには、基本バージョンをベースに、温度制御やパルス制御などの追加機能があります。さらに、時間プロファイルおよび出力プロファイルを作成することも可能です。これにより、加工時間中にTruHeat VCSELシステムの出力を変化させることができます。

レンズ

追加レンズを使用すると、TruHeat VCSELシステムの熱密度を変更することができます。正レンズを使用すると、VCSEL加熱モジュールの照射強度を高めることができます。負レンズを使用すると、モジュールの照射強度が低下します。

エアナイフ

レーザシステムの保護ガラスからの飛沫や蒸気を遠ざけるために、エアナイフを使用することができます。エアーナイフはレーザの前で保護するエアーカーテンを作ります。

取付ブラケット

取り付けブラケットを使用すれば、TruHeat VCSELシステムを簡単に技術的に取り付けることができます。

照射強度の低下

低めの照射強度が求められる用途では、エミッタの密度が低く、デフォーカスレンズを備えたTruHeat VCSELシステムを使用することができます。

国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。 現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。

お客様向け情報

VCSEL加熱システムによるレーザ熱処理

VCSEL加熱システムによるレーザ熱処理は、溶接、乾燥、はんだ付けや加熱などの多種多様なアプリケーションに適しています。この技術の多岐にわたる用途をぜひご覧ください。

トルンプ アプリケーション バッテリーセルのバスバー溶接
バッテリーセルとモジュール

バッテリープロセスチェーン用の当社のレーザソリューションをぜひご覧ください。Eモビリティ向けのリチウムイオンバッテリーでは、バッテリーフィルムの乾燥、シーリングやパーフォレーションなどでVCSEL加熱システムが役立っています。

トルンプ VCSELのメリット

一体VCSELとはどんなものでしょうか。他のレーザダイオードと比べ、どんなメリットがあるのでしょうか。VCSEL の特殊な仕組みを可能にしているのは、どのような構造なのでしょうか。このページではトルンプのVCSELがどのような特徴を持ち、どのような場面で使用されているのかをご紹介します。

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