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Martin Krämer
Sabrina Schilling

小規模のスマートファクトリー:第3パレットステーションの導入で生産性が向上

オートメーションは自社には全く向いていない」とずっと確信していたマーティン・クレーマー社長でしたが、TRUMPFの第3パレットステーションを導入したことで、プロセスを自動化しても柔軟性に関して妥協する必要がないことに気づいたのです。

典型的なジョブショップであるKrämer Brennteileは、ドイツ・シュバルツヴァルト地方のホーフシュテッテンに本社を置く従業員数約40人の会社です。同社では、精緻な成形部品や板厚50ミリメートルのトランスミッションプレートなど、あらゆる製品をその都度需要に応じて生産しています。連続生産はほとんどなく、その代わりに、急ぎであることが多い少量オーダーを「合間合間に」処理しています。「迅速で信頼性が高く、柔軟であることが当社のトレードマークです」とマーティン・クレーマー社長は述べています。

生産能力が上がり、可能性が拡大

「当社はガス切断で高い評判を得てきました」とクレーマー社長は語っていますが、 高性能レーザ装置には厚板の切断でガス切断に全く引けを取らない能力があり、自社に利益をもたらす可能性があることも理解しており、24 kWの強力なレーザパワーが魅力のTRUMPFレーザ切断機TruLaser 5030 fiberの購入を考えていました。「お客様によっては、板厚が最大50ミリメートルの部品にねじ穴をあける必要があるのですが、 当時まではガス切断後、この穴を手間をかけて切削加工であけなければなりませんでした。24 kWマシンを導入すれば、この加工工程を一度クランプするだけで処理できるようになると考えたのです」と同社長は述べています。そして自社の生産の幅を拡大することを目指し、TRUMPFのエリア営業課長、フェリックス・クスターに問い合わせたのです。

先を見越したコンサルティング

クレーマー社長にこのマシンについて説明した際、クスターは再びオートメーションを話題にしましたが、以前の訪問時と同様に、同社長は懐疑的な姿勢を崩しませんでした。「柔軟性に欠けすぎていて、手間がかかりすぎるので、当社には全く向いていないと確信してたのです。」その他の多くの人々と同じく、同社長もオートメーションは規模が大きめの連続生産でしか意味がないと考えていたのです。そして、スペースの問題に加えて、プロセスを自動化することで、作業時の柔軟性が低下することを恐れていました。「それまでやってきたように、少量オーダーをちょっと合間に挟むことができなくなってしまいますから。」 ですが、クスターは今回は簡単には諦めず、24 kWレーザーは生産性が高く、ローディング・アンローディングが更にスピードアップするため、既存の工程では行き詰まってしまうことを訴えたのです。実際当時の時点で、同社の従業員は重量板金材料のハンドリングで限界に達していました。

第3パレットと呼ばれるこの装置は、補助ローディング・アンローディングステーションであり、自動ストレージに関係なく使用することができます。マーティン・クレーマー社長にとっては、オートメーション導入に踏み切った決定的なポイントになっています。

板金加工に関して、Krämer Brennteileのマーティン・クレーマー社長は先を完全に見通しています。巧みなオートメーションとデジタル化を導入して、同社の体制を将来に向けて整えています。

第3パレットのローディング・アンローディングは手動で、またはクレーンを使用して行います。これにより、自動生産の流れに関係なく、急ぎの特別オーダーや最大50ミリメートルの非常に厚い板金材料を文字通り「押し込む」ことが可能になります。

クスターは、TRUMPFのスマートファクトリー担当テクニカルセールスマネージャー、マークス・セムラウによるコンサルティングを提案し、クレーマー社長はそれに同意しました。セムラウはスマートファクトリーコンセプトを利用して、Krämer社のプロセスチェーン全体をマテリアルフローからパーツ取り出しに至るまで分析しました。そうするとすぐに、フォークリフトでの運搬が多すぎ、通路が狭く、手作業での配置替えが多く、工程の流れをせき止めていることが判明しました。セムラウは、24 kW装置ではマシン性能がこれまでよりも高くなるため、この問題が更に悪化することを指摘しました。

「マシンの生産性は、周辺環境がそれ相応に整っていなければ、その価値を発揮することができません。特にスペースが限られている場合は、プロセスがきちんと整理されており、マテリアルフローが明確になっていることが非常に重要になります」と当時の印象を要約しています。セムラウは数字、シミュレーションと例を示して、オートメーションを導入すればリードタイムが短縮され、夜間シフトが可能になり、マテリアルフローがスムーズになることを証明しました。その結果、クレーマー社長の懐疑心が晴れ始めたのです。

補助パレットで特別オーダーに対応

最終的な転機は、TRUMPFのエキスパートたちが第3パレットステーションを追加して、レーザ装置に組み付けることを提案したことによってもたらされました。マシン背面に設置されるこの拡張装置は、補助ローディング・アンローディングステーションであり、技術的に見ると、自動ストレージに関係なく使用できる手動ローディング式バッファステーションになっています。実際の流れは次の通りです。第1と第2パレットがローディングまたはアンローディングされている間に、第3パレットがマシンに搬送され、切断加工が行われます。この補助パレットのローディング・アンローディングは手動で、またはクレーンを使用して行います。これにより、自動生産の流れを妨げることなく、急ぎの特別オーダーや最大50ミリメートルの非常に厚い板金材料を文字通り「押し込む」ことが可能になります。

「第3パレットは真の突破口になりました」とセムラウは述べています。「自動装置の速度と、スタンドアロンマシンの高いアクセス性を兼ね備えているからです。」これにはクレーマー社長も納得し、打ち合わせからわずか10週間後にこのオートメーションパッケージの購入を決めたほどでした。

TRUMPFのTruLaser 5030 fiberを使用すれば、板厚が最大50ミリメートルの部品を生産的に切断することができるだけでなく、「導入前までのガス切断では手間をかけて切削加工していたねじ穴も生み出すことができます」とクレーマー社長は喜んでいます。 板金材料のローディング・アンローディングが自動化されたことで、従業員の作業が楽になり、生産現場が整理整頓されています。

STOPAストレージには在庫管理システムが統合されており、必要な材料が常に適切なタイミングで用意されます。材料を探すことがなくなり、フォークリフトでの運搬が最小限に抑えられています。

TruLaser 5030 Fiberとローディング・アンローディングユニットLiftMaster CompactをSTOPAストレージに接続したことで、Krämer社では生産スピードがかなりアップしています。第3パレットによって、自動工程内であっても柔軟性がもたらされています。

スピードアップし、整理整頓され、安全性が向上

24 kWのTruLaser 5030 Fiberはローディング・アンローディングユニットLiftMaster Compactを備え、STOPAストレージに接続されています。マテリアルフローはデジタルで、大部分は無人で流れています。在庫管理システムが統合されており、正しい板金材料が適切なタイミングで用意されるようになっています。材料を探すことがなくなり、フォークリフトでの運搬が最小限に抑えられています。その結果、生産現場が整理整頓され、作業安全性が高まっています。例えば吊荷がなくなり、大型シートを取り扱う際に身体にかかる負担が軽くなっています。

運転開始以降、このシステムは自動モードで稼働しています。その違いは明らかに感じられ、工程の流れが秩序立ち、慌ただしさが減り、落ち着いて作業できるようになっています。「以前であれば、従業員が出来る限り素早くテーブルを片付けなければ、マシンで作業を続けることはできませんでした。それが今では自動化されており、プレッシャーから解放されています」とクレーマー社長は述べています。今回の決断では、経済的な効果も既に表れています。具体的には、シフトごとに2人のオペレーターが他の作業に時間を割けるようになり、生産性が高まっているほか、Krämer社が提供しているサービスが拡大したことで、顧客から喜びの声が上がっています。

小規模のスマートファクトリー

TRUMPFにとってこのプロジェクトは、スマートファクトリーソリューションが比較的小規模の企業であっても上手くいくことを示す好例になっています。「オートメーションとは、工場全体の改築が必要になることを意味するものではありません」とセムラウは述べています。「大抵の場合は、既存のプロセスをスマートにリンクするだけで十分なのです。」Krämer社では、デジタル化とオートメーションが切っても切れない関係にあることが示されています。同社では何年も前からペーパーレスで作業しており、生産はデジタル制御されています。新しい装置はこの状況に完璧にマッチしており、新たな可能性が切り拓かれています。

同社の敷地には工場の増設に適したスペースがあり、新しいシステムは左右対称にできるように予め設計されているからです。「過去数年間、多くのことを成し遂げてきました」とクレーマー社長は切り出し、 「間もなく娘が会社を引き継ぐことになっているのですが、会社を更に成長させるための基盤を用意しておきたいと思っているのです」と付け加えています。元々はオートメーションに対して懐疑的な同社長でしたが、現在はその断固とした支持者になっており、「とにかく一度体験してみれば、オートメーションの本当のメリットを理解できるはずです」と自ら述べています。

作成日 2026/02/05
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