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芸術的なセンスを持った金属構造物製造業者

ドイツ・タウヌス地方のフリードリヒスドルフに拠点を置くArnold AG社の生産現場を訪れると、宝物がいくつか並んでいることが少なくありません。国際的に著名な芸術家たちは、精緻な金属製の彫刻とオブジェの製作に関して巧みな技術を有している金属加工職人のノウハウと鋭敏な感覚に信頼を置いています。ですが、この領域は350人の従業員を抱える同社が特化している3分野の1つに過ぎません。面積6,000平方メートルの生産現場では、板金加工、アセンブリー組立と産業用サービスに加えて、ヨット用ステンレス部品などの特殊プロジェクト向けのパーツも生産されています。何百ものオーダーがあり、ロット数1の特急オーダーもある中で状況を確実に把握し続けるために、ArnoldではTRUMPFの屋内トラッキングシステムTrack&Traceを使用しています。

Arnold AG

www.arnold.de
Arnold AGロゴ

1994年に設立されたArnold AGは国際的に活動している板金加工企業です。そのポートフォリオには、典型的な板金加工、アセンブリー組立、そして産業界向けに提供している幅広いサービスに加えて、高級ヨットメーカー向けの金属製/金属使用製品も含まれています。また、同社は芸術に特に着目しています。Arnoldでは確かな工学知識と技術的ノウハウを駆使しながら、著名な芸術家たちのアイディアを実現させています。

業界
産業用製品、ヨット装備、芸術
従業員数
350
事業拠点
フリードリヒスドルフ (ドイツ)
アプリケーション
  • 板金加工
  • アセンブリー組立
  • OEM生産

課題

Arnoldの責任者は、主にマシンではなく領域に基づいて生産計画を立てています。具体的に言うと、オーダーをマシンではなく技術領域に、例えば曲げ加工に割り当てています。そうすることで、従業員の作業における柔軟性が高まります。オーダーファイルを見て、パーツを曲げ加工機で加工する必要があることが判明した場合、担当従業員は5台あるマシンのうちどれが最適であるかを自分で決定します。生産現場では、そのようなオーダーが毎日何百件も処理されています。それに加えて、ロット数1の特急オーダーも存在します。その現場で状況を把握し続けて、探す時間を回避することが、大きな課題となっていました。Arnoldでは、生産プロセス全体にわたって透明性を確保することが求められていました。

システムは当社のデジタル戦略の主要要素です。それはスマートファクトリー、そしてペーパーレスでの生産に向けた次の一歩です。

ジャック・シュナイダー
Arnold AG社TrackTraceのプロジェクトリーダー

解決策

屋内位置特定システムTrack&Traceを使用すれば、オーダー、キャリア、ツールと搬送機器の位置をいつでも正確に特定することができます。このシステムの一つ目の構成要素はサテライトと呼ばれており、これは工場の様々な箇所に取り付けられます。もう一つの構成要素はマーカーと呼ばれており、これにはトランスミッターチップが搭載されています。この手のひらサイズのマーカーは、オーダーと共に生産現場の中を移動します。そこから超広帯域無線技術 (UWB) に基づいて信号がサテライトに送信され、更に続いて産業用PCに転送されます。このコンピュータがこのデータからマーカーの位置を算出します。マーカーが付いているパーツの位置は数センチメートルの誤差で正確に特定可能であり、Track&Traceソフトウェアを使用して端末機器に表示させることができます。その際、端末機器の数に制限はなく、モバイル機器にも対応しています。

実行

2018年以来、ArnoldはTrack&Traceのテストユーザーになっています。使用しているサテライトの数は50に、マーカーの数は約1,000に至っています。そして現在Track&TraceはArnold AGで、探す代わりに即座に発見するという目的を果たしているだけでなく、生産現場での総合的な透明性向上の基盤にもなっています。Arnold AGでTrack&Traceのプロジェクトリーダーを務めているジャック・シュナイダー氏は、「このシステムは当社のデジタル戦略の主要要素です。そして、スマートファクトリーとペーパーレス生産を目標とした道のりを更に一歩進んだことを意味します」と説明しています。そして同社ではTrack&Traceの導入から約3年が経過したい今、企業文化への好影響が感じられるようになっています。Arnold AGのクリストフ・エーバート取締役は、「デジタル化に関するテーマに対する反響が明らかに良くなっています。以前は多くの従業員にとって、スマートファクトリーは得体の知れないテーマでした。Track&Traceを導入したことで、透明性とトレーサビリティの大きな利点が目に見えるようになりました」と述べています。

展望

ArnoldにとってTrack&Traceの使用は、フリードリヒスドルフ工場に設置しただけで終わりではありません。同社ではこのシステムを拡張して、テューリンゲン州にある第二工場もこのシステムに接続する意向を持っています。「本来であればまだテューリンゲンにあってはならないはずなのに、既にテューリンゲンに移動してしまっている物をフリードリヒスドルフで探すことが少なくありません。」そこでTrack&Traceは謎の解明に貢献することになります。フリードリヒスドルフでのトラックへの積込からテューリンゲン州シュタインバッハ=ハレンベルクでの商品入荷の記帳に至るまで、透明性を確保することが意図されています。