ソリューション
Gestampが開発したレーザ溶接イノベーションG-Weldに基づいて、TRUMPFは課題に取り組みました。G-Weld®は、パッチワークブランクで従来のスポット溶接に取って代わる工法としてGestampが開発したものです。溶接ビードをG字型にすることで、溶接速度を最大5倍高速化し、生産の効率と品質を大幅に高めることが可能になっています。「ですが、レーザ溶接前にアルミニウムと珪素のコーティングを上流の工程で除去しなければならなくなっていたら、せっかく節約した時間がすぐに無駄になってしまっていたところでした」とフェランデス部長は説明しています。解決策としてビームシェイピングに工夫を凝らすことになり、Gestampの場合はオプションのマルチフォーカスを使用することになりました。このオプションでは、レーザ光が4本のビームに分割され、強度がほぼ四等分されます。4本の分割ビームはどれも、コアビームとリングビームから構成されています。「ビーム1本だけでなく、一気に4本が溶融池に作用することで、両方の材料が均一に混合されることになります。それにより、余計な結晶構造の形成が防止されるのです」と、TRUMPFでモビリティアプリケーション部門グローバルビジネスデベロップメントマネージャーを務めているマーク・フメルは説明しています。「それに加えて、リングビームの追加エネルギーによって、スパッターの発生も防止されます。」その結果として生み出された溶接ビードは、自動車業界の厳しい衝突試験の要件にも適合するものになっています。
実行
開発段階でTRUMPFのエキスパートは、まずはGestampから提供された素材で仕事を進めました。プロジェクトの進行に伴って、実際の部品が使用されるようになり、最終的にはGestampが本番の衝突試験で使用している車体全体が扱われることになりました。「この仕事をやった甲斐がありました」とフェランデス部長は述べて、次のように総括しています。「新しい溶接工法には、複数のメリットがあります。まず、生産と組み立てロボットなどの設備でコストが削減されており、組み立てが簡単になったことで、最終加工工程での複雑度が低下しています。また、溶接速度の高速化に伴って生産性が向上していると同時に、溶接ビード品質も高まっています。」それに加えて、重要なメリットがもう一つあります。レーザでは溶接する部品に届きやすくなっているだけでなく、片側だけを溶接することで、表面が半分見えているという利点も得られているのです。部品の下側からはビードを見分けることができなくなっていて、直接塗装することが可能になっています。この新工法の導入前に、Gestampでは検証段階を開始しています。「この内部検証が完了次第、このテクノロジーを当社の全工場に展開することになっています」とフェランデス部長は述べています。