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車体製造で偉業を可能にしているレーザビームシェイピング

スペインの自動車部品サプライヤーGestampは、業界を代表する多国籍企業であり、世界中の13か所のR&Dセンターで未来のモビリティを構築しています。Gestampが開発した先駆的な大型部品であるGES-GIGASTAMPING®製品群は、車両を軽量化し、安全性を高め、生産プロセスの効率を向上させ、組み立て時間を短縮しています。「それ専用に開発したGes-WireやG-Weldなどの溶接工法には、特に重ねレーザ溶接で、構造部品製造を根本的に変える可能性が潜んでいます」と、Gestampのミゲル・アンヘル・フェランデスBIW R&D部長は説明しています。GestampとTRUMPFはパートナーとしての協力関係の中で、産業用レーザ溶接プロセスの開発という課題に共同で取り組んだのでした。

Gestamp

www.gestamp.com

マドリードに本社を置くGestampは、自動車部品サプライヤー業界を代表する多国籍企業であり、高度に技術化された金属コンポーネントの開発製造に特化しています。24か国の115か所に生産拠点を有し、43,000人以上の従業員を抱える同社では、イノベーション、サステナビリティと優れた業務遂行能力を重視しています。世界中の13か所のR&Dセンターで、未来のモビリティの象徴となり、車両の安全性とサステナビリティの向上ならびに軽量化につながるソリューションを開発しています。

業界
自動車部品サプライヤー
従業員数
43,000
事業拠点
マドリード(スペイン)
TRUMPF製品
  • TruFiber

  • PFO 33-3

  • TruLaser Cell

アプリケーション
  • レーザ溶接

課題

自動車業界は技術的な転換期を迎えており、車両で必要な部品数が少なければ少ないほど、生産効率が高まると言われています。「部品を大型化すれば、生産効率を高め、組み立て時間を短縮することができます」と、ミゲル・アンヘル・フェランデスBIW R&D部長は説明しています。「また、車両を軽量化し、安全性を高めることもできます。」これに関して、Gestampが開発したGes-Gigastamping®製品群は先駆的な役割を果たしています。これは、高強度鋼を温間プレス成形して生み出される大型構造部品のことを指しているのですが、この部品を産業用工程で高いプロセス安定性でレーザ溶接することは難題だったとフェランデス部長は述べています。「プレス硬化鋼にはアルミニウムと珪素(AlSi)がコーティングされており、部品が腐食から保護されています。従来のスポット溶接であれば関係ないのですが、レーザ溶接では最初は非常に苦労しました。」そこでの難点は、溶接ビード内で両方の異種材料を均一に接合することができなかったことにありました。 その代わりに、中間相と結晶構造であるα鉄が形成され、ビード品質と部品の構造機構特性に悪影響が及んでいたと、TRUMPFのアプリケーション開発部長ニコライ・シュペーカーは述べています。

ソリューション

Gestampが開発したレーザ溶接イノベーションG-Weldに基づいて、TRUMPFは課題に取り組みました。G-Weld®は、パッチワークブランクで従来のスポット溶接に取って代わる工法としてGestampが開発したものです。溶接ビードをG字型にすることで、溶接速度を最大5倍高速化し、生産の効率と品質を大幅に高めることが可能になっています。「ですが、レーザ溶接前にアルミニウムと珪素のコーティングを上流の工程で除去しなければならなくなっていたら、せっかく節約した時間がすぐに無駄になってしまっていたところでした」とフェランデス部長は説明しています。解決策としてビームシェイピングに工夫を凝らすことになり、Gestampの場合はオプションのマルチフォーカスを使用することになりました。このオプションでは、レーザ光が4本のビームに分割され、強度がほぼ四等分されます。4本の分割ビームはどれも、コアビームとリングビームから構成されています。「ビーム1本だけでなく、一気に4本が溶融池に作用することで、両方の材料が均一に混合されることになります。それにより、余計な結晶構造の形成が防止されるのです」と、TRUMPFでモビリティアプリケーション部門グローバルビジネスデベロップメントマネージャーを務めているマーク・フメルは説明しています。「それに加えて、リングビームの追加エネルギーによって、スパッターの発生も防止されます。」その結果として生み出された溶接ビードは、自動車業界の厳しい衝突試験の要件にも適合するものになっています。

 

実行

開発段階でTRUMPFのエキスパートは、まずはGestampから提供された素材で仕事を進めました。プロジェクトの進行に伴って、実際の部品が使用されるようになり、最終的にはGestampが本番の衝突試験で使用している車体全体が扱われることになりました。「この仕事をやった甲斐がありました」とフェランデス部長は述べて、次のように総括しています。「新しい溶接工法には、複数のメリットがあります。まず、生産と組み立てロボットなどの設備でコストが削減されており、組み立てが簡単になったことで、最終加工工程での複雑度が低下しています。また、溶接速度の高速化に伴って生産性が向上していると同時に、溶接ビード品質も高まっています。」それに加えて、重要なメリットがもう一つあります。レーザでは溶接する部品に届きやすくなっているだけでなく、片側だけを溶接することで、表面が半分見えているという利点も得られているのです。部品の下側からはビードを見分けることができなくなっていて、直接塗装することが可能になっています。この新工法の導入前に、Gestampでは検証段階を開始しています。「この内部検証が完了次第、このテクノロジーを当社の全工場に展開することになっています」とフェランデス部長は述べています。

展望

「製造方法の簡易化と競争力強化に対するニーズが高まっています」フェランデス部長は説明して、次のように補足しています。「特に当社のGes-Gigastamping®製品群では、目に見える接合箇所なしで、接合作業を高精度で素早く、障害なしで進めることが求められています。当社の新しい溶接工法には、全く新しい方法を生み出し、部品の設計と製造を根本的に変える可能性が潜んでいます。」

当社製品に関する詳細情報

TruLaser 7040、連続生産用高精度マシン
TruLaser Cell 7040

レーザ装置TruLaser Cell 7040があれば、二次元または三次元の部品やパイプの加工に完璧に対応できるようになります。オペレータは、切断、溶接、レーザ粉体肉盛りの間で柔軟に切り替えることが可能です。マシンがモジュール構造になっていて、個別にカスタマイズして後付けできるTruLaser Cell 7040なら、生産環境の変更に合わせて最適に調整し、顧客要件の変化にフレキシブルに対応することができます。

スキャナー光学系

PFOシリーズのスキャナー光学系は、リモート溶接・切断用のスキャナーレンズです。2つのミラーを使用して、レーザ光を加工フィールド・エリア内のあらゆる指定位置に配置することも、任意の継目形状に合わせて動かすことも可能です。これは加工品や焦点合わせ光学ユニットを動かさずに溶接を行うことが可能です。シールドガスやアシストガスは不要です。

2026年3月10日現在