解決策
トーマス・ゴスウィン取締役、工場長、技術部長、IT部長並びに生産/販売/IT部門の従業員の方々と密接に協力しながら、スマートファクトリーコンサルタントは全拠点で詳細な現状分析を行いました。関係者全員とじっくり話し合い、材料と情報の流れを分析し、SCHRAGから提供された豊富なデータベースを考慮に入れることで、全製造工程を明らかにし、改善の余地を発見することができました。しかもそれだけにとどまらず、プロジェクトチームメンバーとTRUMPFのコンサルタントは算出した生産個数を鑑みて、生産拠点の新設に代わる案について考えを巡らせました。その結果、新設するよりも既存の拠点を増設してネットワーク化した方がSCHRAGグループにとって付加価値が大きいことが判明しました。そして、ハンブルク近郊のゼーフェタール工場を増設して、母屋桁と梁の自動生産に向けて生産体制を整える決断が下されました。
実行
トーマス・ゴスウィン取締役はTRUMPFスマートファクトリーコンサルタントに協力を依頼する際に、コンサルティングが中立的に、つまりメーカーやマシンにとらわれずに行われることを条件にしました。そしてコンサルタントはこの条件を満たしました。標準プロファイルの製造用に、あるイタリアメーカーの全自動ローラー成形設備の購入を勧めたのです。大型オーダーでは特殊プロファイルも納品項目に含まれていることが多く、オーダーを複数の拠点に分割することは意味がないため、ゼーフェタール工場には更に、特殊プロファイル用のEHT製12.5メートルプレスを含むプレスラインも設置されます。新しいコイル材倉庫から両方の製造ラインに材料が供給されることになります。材料と部品の搬入出を効率的に行うために、新しいトラック用迂回路を敷設する計画になっています。拠点の増設には新しいオフィス棟も含まれています。生産開始は2022年3月の予定です。