大面積の加工に最適
ディスクレーザ技術に基づいたTruMicro 7000シリーズの高出力ナノ秒レーザは、周波数が高い場合でも短パルスと高パルスエネルギーを両立させます。そのためこのレーザは、大面積のクリーニング、剥離やストラクチャリングを迅速に、非常に高い処理量で行う場合に理想的です。
柔軟なビームガイドを特長とするこのレーザは、既存の製造システムに簡単に統合可能であり、当社のPFOシリーズのスキャナー光学系と完全な互換性を有しているため、大面積の正確な加工が可能になります。
マイクロ加工領域での要求に答える理想的な組み合わせ。
面積の広い部品であってもクリーニングやアニーリングが実現し、それに適した作動点が見つかります。
内部の出力調整機能により、最大パルスエネルギーが加工に供給され続けます。
出力配分が設定可能であるため、アプリケーションに合わせて最適に調整することができます。

電気モーターのデリケートな銅ヘアピンの塗膜剥離
電気モーターのヘアピンのデリケートな銅は、塗膜によって酸化と損傷から保護されています。ピンを溶接用に準備する工程では、その下にある銅に損傷を与えることなく、塗膜を短パルスレーザで意図的に剥離します。しかもこの工法では、機械的な塗膜剥離プロセスの場合よりも正確で迅速な仕上がりが得られます。その後でヘアピンが正確に溶接され、最大限の電気伝導率が実現します。

プラスチックと金属のハイブリッド接合
自動車メーカーでは、燃費及びCO2排出量を削減するため車両の軽量化に力を入れています。この際、金属とプラスチックのハイブリッド接合の果たす役割が益々重要になっています。この理由は金属の高い強度及び剛性と、プラスチックの軽量性と高い設計自由度を融合できるためです。TruMicroシリーズの高出力ナノ秒レーザは、ネジ、リベットや接着剤などの追加材料なしに、金属とプラスチックを精密に接合します。

薄膜ソーラーモジュールの周辺部の剥離
薄膜ソーラーモジュールを腐食及び長期間短絡から保護するために、モジュールの周辺部表面の機能性薄膜は剥離され、ラミネート加工が施されます。このアプリケーションでは、レーザはガラスを透過し、ガラスに亀裂または溶融を発生させることなくキャリア材料から機能性薄膜を剥離します。従来のサンドブラストと異なり、ブラスト材及びその廃棄費用が掛かりません。それに加えて、優れた加工より極めて高い剥離率が保証されます。

AlSiコーティング鋼板の溶接準備
TruMicro 7000シリーズのナノ秒レーザは、アルミニウム・珪素コーティングの効率的な剥離に適しており、この加工中に母材が変質することはありません。特に自動車産業では、鋼に腐食防止剤としてアルミニウム・珪素 (AlSi) によるコーティングが施されています。最適な溶接結果を得るには、このコーティングを溶接シーム領域で取り除く必要があります。

短パルスレーザによるクリーニング及び塗料剥離
短パルスレーザでは、母材を損傷させることなく塗料、接着剤の残りまたは酸化層を部分的あるいは完全に表面から取り除くことができます。このレーザは、特にエッジ品質及び剥離品質においてユーザーが要求する水準を十分に満たしますが、費用対効果についてもこのレーザプロセスは従来のプロセスに引けを取りません。
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TruMicro 7060
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TruMicro 7070
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| レーザパラメーター | ||
| 平均最大出力 | 1000 W | 2000 W |
| ビーム品質 | 10 mm▪mrad 、使用する光ファイバーにより異なる | 10 mm▪mrad 、使用する光ファイバーにより異なる |
| 波長 | 1030 nm | 1030 nm |
| パルス幅 | 30 ns | 30 ns |
| 最大パルス エネルギー | 100 mJ | 100 mJ |
| 最小繰り返し周波数 | 5 kHz | 5 kHz |
| 最大繰り返し周波数 | 100 kHz | 250 kHz |
| レーザ光ケーブル最小直径 | 300 μm | 300 μm |
| 構成 | ||
| 基本装置サイズでの寸法(幅×高さ×奥行) | 1340 mm x 1430 mm x 725 mm | 1340 mm x 1430 mm x 725 mm |
| 拡張装置サイズでの寸法(幅×高さ×奥行) | 1340 mm x 1475 mm x 1040 mm | 1340 mm x 1475 mm x 1040 mm |

TruControl
TruControlはTRUMPF固体レーザ向けの迅速で操作しやすいコントローラです。レーザ出力をリアルタイムで制御し、再現性のある結果を実現します。TruControlはインタフェースの割当を管理、制御、視覚化します。すべてのレーザテクノロジを越えた、統一的な制御アーキテクチャを利用することが出来ます。レーザには、モニタリング機能付き集光光学系ユニットCFOまたはスキャナー光学系PFOなど、高度なTRUMPF光学ユニットを制御するためのインタフェースが備わっています。加工光学ヘッドのプログラミングは、レーザ制御ユニットを介して快適に行うことができます。TRUMPFのテレサービスによって、迅速にテレサービスサポートを受けることができます。これによりサービスマンの派遣が不要になるか、サービスマンの派遣に向けて最適な準備を整えることができ、レーザ装置の可用性が向上します。
追加オプションを導入することで、TruMicro 7000シリーズの高出力ナノ秒レーザでの作業における効率とプロセスの安全性が更に向上します。

レーザによるフレキシブルな設計を実現するため、ビームガイドは多くのオプションから選択できます。プラグ&プレイにより、光ファイバーを様々なワークステーションに極めて簡単に接続することができます。その時、最大4つの光ファイバー接続口から使用数を選択します。レーザ出力の制御は照射口毎に行います。こうして、複数のワークステーションがレーザ出力が分割された状態で同時に稼働するか、順々に100%のレーザ出力で稼働することになります。モジュール構造であることから、この分割機能を後付けすることも可能です。
これまで、光ファイバーケーブル(LLK)を介した高パルスエネルギーの伝達は、距離が短いか、LLK直径が大きい場合に制限されていましたが、新しいハイピークパワーオプションを使用すれば、実現可能な範囲が広がり、パルスエネルギーを最大70%高めて、一切の妥協なく、長めの距離にわたって確実かつ効率的に伝達できるようになりました。 これは、加工品でのピーク出力密度の増加とプロセスのスピードアップにつながるほか、LLKがこれまでよりも長くなることで、使用半径が拡大することも意味します。新しいアプリケーションに理想的であると同時に、既存のTruMicro 7000レーザへのレトロフィットとしても利用可能です。

レーザネットワークに、それぞれ最大4つのワークステーションと単一または複数のレーザを結合することができます。その際レーザは出力を複数のステーションに分割するか、交互に各ステーションにフル出力を供給します。その結果、異なるアプリケーションを相互に組み合わせることも可能になります。

独自のインタフェースを介して、インテリジェントな光学ユニットをレーザ装置と同期化することができます。それにより、焦点合わせ光学ユニットCFOまたはスキャナー光学系PFOなどを、自分の目的に合わせて最適に利用することができます。加工光学ヘッドのプログラミングは、レーザ制御ユニットを介して快適に行うことができます。PCやコントローラを追加する必要はありません。

異常時にはTRUMPFのサービスエキスパートが、確実なリモート接続を介してレーザ装置に主体的に手を加えます。多くの場合、こうして異常を直接解決するか、スペアパーツが届くまで生産を継続できるようにレーザ装置の構成を変更します。

多くのTRUMPFマシンでは、独自のソフトウェアラインナップへの完全な統合が問題なく簡単に実現します。Oseonへの統合やモニタリング・分析ツールとのリンクなど、どの組み合わせにも適切なソリューションが用意されています。OPC UA規格に基づいている当社のインターフェースで、サードパーティのソフトウェアシステムとのリンクも可能です。
TRUMPFでは、レーザから加工品に至るまで、ビームガイドに必要となるあらゆるコンポーネントを提供しています。この他、様々な焦点合わせ光学ユニットも提供してしており、これらの光学部品の精度と信頼背は長年にわたり産業分野で実証されています。光学ユニットは、スタンドアロン型加工ステーションあるいは生産ライン内のどちらにも簡単に統合することができます。そのモジュール式構造により、光学ユニットはレーザタイプ及び様々な加工状況に適合させることができます。
焦点合わせ光学ユニット
TRUMPFの堅牢な固定光学系により、溶接、切断、削剥、加熱や穴開けなどを問わず、高品質の加工結果を確実に得ることがることができます!
スキャナー光学系
リモート加工に理想的な光学ユニット
国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。 現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。





