ロイターさん、多数の中小規模の板金加工業者は、自社に本当に合うマシンはどれか、という問いに直面していますが、 そこでは何がポイントになるのでしょうか?
ロイター:まずは、焦点を拡大することをお勧めします。最安価格のマシンを購入することではなく、自社の生産現場にとって最も経済的なソリューションを見つけることが大事になります。決定的なのは長期的な部品コスト、すなわちマシンのライフサイクル全体を通して発生するすべてのコストです。それには、材料消費量、必要なエネルギー量、操作の手間、稼働率とサービスも含まれます。
購入価格に注目する従来の見方よりもはるかに広範囲にわたるようですね。
ロイター:その通りです。購入価格が明らかで、比較できるのに対して、ランニングコストはそうではないことが少なくないのですが、多くの場合、ランニングコストの方が大幅に重要な役割を果たしているのです。 高い経済性で生産するには、日々マシンがどの程度効率的に稼働しており、その稼働率が長年にわたってどの程度安定しているかを理解しなければなりません。
ご自身の経験から見て、経済性の計算で頻繁に軽視されているポイントは何でしょうか?
ロイター:サービスコストが頻繁に軽視されています。ダウンタイムだけでなく、特に復旧のスピードも非常に重要になります。例えば、スペアパーツが現場に素早く届くかどうか、サービスエンジニアの手をすぐに借りることができるかどうかなどです。 また、セットアップ時間、操作時の快適性、トレーニングの手間やプロセス品質などのソフトな要因も、コスト計算にシビアに影響します。それと同様に、エネルギー消費量や材料歩留りも、多くの企業が最初の時点で想定するよりも重要になります。部品コストの計算では、これらすべてが直接加味されるのです。
投資予算額が低い企業向けのマシンシリーズとして、TRUMPFは1000シリーズモデルを専用開発して、市場に投入しましたが、 このマシンの背景にはどのような考えがあるのでしょうか?
ロイター:板金業界で、TRUMPFはプレミアムソリューションで知られています。従って当社のマシンは、板金加工を新たに始めるか、生産現場を経済的に刷新することを目指す企業の間では、存在感がないことが多いのです。1000シリーズモデルは、この顧客セグメントにピタリと合わせたマシンです。比較的低価格で事業が開始できると同時に、高いプロセス安定性と品質が得られるようになっています。とりわけ中小企業にとって魅力的ですが、その理由は、生産の安定基盤が低めの投資で確保できるからです。
このマシンの具体的な価格とそのファイナンス方法はどうなっていますか?
ロイター:TRUMPF TruLaser 1000シリーズのレーザ切断機は、300,000ユーロ弱で提供されています。TruBend 1000の曲げ加工機の販売価格は、100,000ユーロからとなっています。そうであっても、多くの企業にとっては依然として多額の投資であるため、TRUMPFは世界中で唯一のマシンメーカーとして、自前の銀行を経営しています。そこでは、投資のチャンスとリスクだけでなく、マシンの残存価値も理想的に判断できるエキスパートが働いています。 そして、投資に関して各社に的確なアドバイスを提供し、リースなどの適切なファイナンスモデルを紹介しています。ヨーロッパでは、このサービスがとても良く受け入れられています。
サービスとマシン稼働率はどの程度重要であるとお考えですか?
ロイター:極めて重要です。停止しているマシンは部品を生産しませんが、それでもコストが発生してしまいます。従って当社では、サービス、スペアパーツの用意とメンテナンスを追加要素ではなく、製品コンセプトと価値の約束に不可欠な構成要素として捉えています。マシンの稼働率がライフサイクル全体にわたって確実に確保されていなければ、高い経済性を得ることはできません。
多くの企業にはコスト圧力が掛かっていますが、 それでも節約してはならないポイントは何でしょうか?
ロイター:それは明快で、品質と安全性です。近視眼的にそこに手を加えてはなりません。妥協すると、大抵は後でツケが回ってきて、ダウンタイムが長くなり、部品品質が低下し、安全リスクが高まります。持続的な経済性とは、短期的な節約ではなく、安定したプロセスによって得られるものなのです。
最後の質問です。現在投資を考えている中小規模の板金加工業者に対する最も重要なアドバイスとは?
ロイター:マシンではなく、パーツを基準にして物事を考えてください。生産現場を総合的に観察し、ライフサイクル全体にわたってコストを分析し、信頼性の高いテクノロジーとサービスを利用すれば、将来性の高い生産の基盤を築くことができます。






