ドレスデンから50 km西に位置するMax Knoblochのデーベルン本社工場では、少し前の2026年春に新しいスマートファクトリーが稼働開始して以来、板金が全自動で動いています。そして、郵便受け、宅配ボックスや特注品向けの板金部品が高精度で製造され、年間約600トンの金属が加工され、約120,000個の製品単位が生み出されています。Max Knoblochの郵便受けは26か国以上で使用されており、増加傾向にあります。
「当社のモジュールを組み合わせれば、3百万種類以上の製品を構成することができます。当社では、中核事業での変動を他の業界や各種製品タイプで補うことを目指しています。その目的で、私書箱などの特別ソリューションの製造に力を入れていますが、この多様性と柔軟性が当社のユニークセリングポイントになっています」とトーマス・コルベ社長は述べています。
これまでは改善の余地がほとんどない定型的な手作業
この戦略を経済的に実行に移すには、これまでの製造プロセスでは柔軟性があまりにも欠けていました。Max Knoblochのアンドレアス・クヴェルマルツ技術部長はこう振り返っています。「少し前まで、当社ではシート材を手作業でラックから取り出し、レーザ加工機まで移動し、切断し、部品を手で仕分けていました。また、技術的に特定の製品に非常に縛られていました。例えば、プレスパンチはとても高価ですが、わずか一つの製品にしか適していません。柔軟性を高める余地はありませんでした。」その解決策として、スマートファクトリーを構築し、製造プロセスの柔軟性と効率を高めることになりました。それを実現する上で、新しいマシンを購入し、作業プロセスをネットワーク化し、デジタル化を促進し、包括的なオートメーションを導入することが必要になったのです。
経済性を検証
「TRUMPFをパートナーにすることにしましたが、その理由は、プランニングからソフトウェア、ストレージ、マシン、オートメーション、実装、運転開始作業、そして迅速なパーツサービスに至るまで、スマートファクトリーにまつわるすべてを一手に得ることを当社が望んでいたからです」とクヴェルマルツ部長は意思決定プロセスを説明しています。TRUMPFのスマートファクトリーコンサルティングチームがフィージビリティスタディを行い、プロセス、所要時間とマテリアルフローを分析したところ、最初の結果は落胆するものでした。「お客様が希望したスマートファクトリーソリューションは、自動化レベルが低すぎたため、経済的ではなかったのです」と、TRUMPF側のプロジェクト担当者スヴェン・オンガートは思い起こしています。その後、板金部品設計に注目したことが転機になりました。「TRUMPFの部品設計エキスパートが部品を修正した結果、自動レーザ切断、パンチング加工と曲げ加工による製造が可能になったのです」とオンガートは説明しています。
小さなことが生み出した決定的な効果
例えば、接合技術に改善の余地が大いにありました。クヴェルマルツ部長は具体的にこう説明しています。「以前は、スポット溶接したアセンブリーをサプライヤーから入手していたのですが、安定性は高かった一方で、繰り返し精度はあまり良くありませんでした。部品の改良後、現在ではパンチング加工を追加で行って、部品をリベットまたはクリップで接合しています。この工程には治具が不要であるほか、部品の位置合わせが常に正確であるため、繰り返し精度も高まっています。」
ソフトウェア、中央ストレージと3台の全自動マシン
新しいスマートファクトリーの心臓部は、TRUMPFソフトウェアOseonです。これを使用して、オーダー計画、倉庫管理と生産管理が行われています。他社製マシンも組み込まれていますが、生産個数が最多の部類に入る製品シリーズには、パンチ・レーザ複合加工機TruMatic 7000とSheetMasterの組み合わせ、ならびにパネルベンダーTruBend Center 7030が使用されています。ハイエンドかつ全自動の高精度マシン2台を物理的に連結し、デジタルネットワーク接続することで、大量の処理量が可能になっています。「TruMatic 7000を導入したことで、カップエンボスやクリップ接合部などのフォーミングも実現できるようになっています。ブランク材が3D部品に生まれ変わっています」とクヴェルマルツ部長は述べています。
両マシンの後方には、ストレージシステムSTOPA Compact IIが設置されています。パレットスペースが480個あるこのストレージは、板厚1~3 mmのスチール、ステンレス、アルミニウムシートの保管に十分なスペースと、TruMatic 7000からの中間製品を仮置きするためのバッファストレージを有しています。ストレージの背面では、Liftmaster Store Linearを介してレーザ切断機TruLaser 3030が連結されています。充実したスマートファクトリーには、手動曲げ加工機TruBend 5130も含まれています。
クヴェルマルツ部長は、メリットは全自動スマートファクトリーのコンセプトだけでなく、マシンレベルにもあると考えています。「これらのマシンを使用して、他社製部品と自社ラインナップ用部品を柔軟に製造できるようになっています。以前であれば、曲げツールの都合上、調整に巨額の投資が必要になっていたでしょう。このスタイルは完全に過去のものとなっており、全体的な柔軟性が大幅に高まっています。」
ドイツでの垂直統合を推進
高まっているのは柔軟性だけではありません。経済性計算からの予測も達成されています。スマートファクトリーの高効率が奏功し、Max Knoblochでは製造拠点の一部をドイツに戻すことに成功しています。以前は南ヨーロッパから調達していたアセンブリーが、今ではデーベルンの最先端工場で生産されるようになっています。「以前は、寸法が特別なオーダーでは、他社製品の注文期間として1~2週間を計画に入れなければなりませんでした。それが今では不要になり、問い合わせへの対応がスピードアップしています」とクヴェルマルツ部長は説明しています。Max Knoblochにとってスマートファクトリーの導入は、戦略目標に最適なテクノロジーを手に入れたことを意味しています。このドイツ最古の郵便受けメーカーでは、将来に向けた準備が整っています。










