WWSレーザ部門の従業員から、ポータブルグリルを製造するというアイデアを持ち掛けられた時、クリスティアン・ヴァイゲル社長はすぐに乗り気になりました。この従業員は、お祭りのためにグリルを必要としていたのですが、ヴァイゲル社長はそれ以上の可能性を見出しました。釣りが趣味の同社長にとっても、そのようなグリルは役に立つからです。小型で、軽量で、持ち運びやすくて、高品質でなければならないが、余計な飾りや機能はいらない。 そのように考えを巡らせた結果、確固としたアイデアが生まれ、そのアイデアから製品としてFENNEKグリルが誕生したのです。
「チームメンバー全員がすぐに大きな関心を示しました」と、WWS Metallformenのヤコブ・ハーク・マーケティング部長は語っています。「必要なマシンは社内にありましたし。」そして、設計作業と試行錯誤を経て最終的に製造された最初のポータブルグリルは、まず社内の従業員から、その後顧客から好評を得ることになりました。 今日FENNEKは、WWS Metallformen独自のブランドになっています。その製品ポートフォリオには、ポータブルと据置型グリル、ファイヤーボウル、ポータブルクッカーとアクセサリーが含まれています。
自動車業界以外の事業にも思い切って進出
ドイツ・ズュートプファルツ地方ハッツェンビュールに本社を置く家族経営企業WWS Metallformenは通常、要件の高い産業界の顧客向けに各種製品を製造しています。「商用車と二輪車も含めた自動車業界に加えて、航空産業、農業機械や建設機械などの業界にも製品を提供しています」とハーク部長は述べています。これらの顧客向けに、WWSではプロトタイプ、量産部品、アセンブリー、治具やツールを開発・製造しています。この事業から得られた経験が、現在ではどのFENNEK製品にも詰まっています。
なぜならば、出かけ先で正常に機能することが求められるグリルでは、コンポーネントの精度不良が許されないからです。部品は軽量であると同時に、平らに収納可能であり、組み立てる際はきちんとかみ合わなければなりません。「FENNEKでは、部品を自社設計しています」とハーク部長は述べています。そしてFENNEK製品の生産では、WWSのインフラストラクチャーが利用されています。「当社の生産設備をFENNEKの製造プロセスに組み込んでいますが、それは時間的にも、そして作業の流れにも合うタイミングで行っています。納期が確定している産業界のお客様の方が、引き続き優先順位が高いからです。」
生産現場でWWSはTRUMPFマシンを使用しています。同社ではグリルをTruLaser Cell 7040 3Dレーザ切断機で切断し、TruBend 5085曲げ加工機で曲げています。「切断後、部品を研磨してから角張らせて、組み立てて、包装して、お客様宛てに出荷しています」と同部長は説明しています。
コンパクトでも高品質
元々の始まりとなったFENNEKグリルは、わずか数個のステンレス部品とアルミニウム製ケースで構成されていますが、そこでは、小さい寸法、少ないコンポーネント数、簡単な組み立てという考え方が背景になっています。 個々の部品は、差し込み口と差し込み金具で結合できるようになっています。「すべてが工具なしで組み立てられるようにしています。ピクニックやキャンプにスパナを持っていくことはあまりないからです」とハーク部長は述べて、次のように続けています。「技術的な都合上、モデルによってはリベットやねじ接合に切り替えなければならないこともありますが、それにはどちらかというと、そもそもそう簡単には持ち運べない製品が該当しています。」
また、コンパクトなグリルとファイヤーボウルでは特に、組み立てに加えて材料が主要な役割を果たしています。「当社のグリルと付属部品の90パーセントはステンレス製です」と同部長は語っています。ステンレスは頑丈で手入れがしやすく、しかも長寿命です。ポータブル製品に関して、大抵WWSでは板厚が1~2 mmの薄板を加工していますが、大きめのグリルプレートでは板厚が6~8 mmになることもあります。 「ここでは、TruLaser Cell 7040の柔軟性が特に役立っています。例えば、同じマシンであらゆる板厚を問題なく加工できるからです」と同部長は説明しています。「それと同時に、極めて短時間内に切断、溶接、レーザ粉体肉盛りの間で切り替えることができるため、グリルの生産をWWSでの通常の生産工程に上手く合わせることも可能になっています。」
第二の事業の柱
グリル事業は、ホビープロジェクトからWWSの真の事業の柱の一つに成長しています。「FENNEKは、熱狂的なお客様を数多く獲得するに至っています」とハーク部長は誇りを込めて語り、こう付け加えています。「自社の敷地内に生産現場があることが主要なメリットになっています。品質を常時把握して、短時間内に調整することが可能だからです。」
今日、ヴァイゲル社長が釣りに行った時に楽しんでいるのは、ゆったりとした気分でアタリが来るのを待つ瞬間だけではありません。少なくともそれと同じくらいに、焼きたての魚の香りと味も楽しみにしているようになっています。また、良いアイデア、産業界での経験と正確な板金加工を組み合わせれば、出かけ先で使える製品を生み出せることをこのグリルが示していることにも喜びを感じています。













