ある問い合わせがきっかけに
ブラジル南部のカシアス・ド・スルは、人口500,000人強の活発な工業地域です。大西洋まで約170 km、ウルグアイ国境まで約550 kmのところに位置しています。この都市は、ブラジルの溶接業界で確かな加工品用クランプの生産地として知れ渡っています。カシアス・ド・スルはサンティーニ社長の故郷ですが、ここで同社長が創業したKifixは、クランプのリーディングメーカーです。創業当初に非常に重要なひらめきが得られたのは、偶然の産物でした。同社長は失業者になった後、自営業者として工具の販売を始めました。ある日、ある顧客が特殊なクランプについて問い合わせてきました。同社長にとってクランプは未知の世界でしたが、それでもすぐに対応し、クランプの設計を依頼し、ジョブショップに製造してもらいました。 その顧客は感激していましたが、同社長の感激はそれを超えていました。 板金加工業界の多くの企業にとって、溶接時に部品をピタリと合うクランプで固定することができれば、大きなメリットになるからです。これがKifixのアイデアとなり、クランプ事業が始まったのですが、同社はその後、大小、重量・軽量、角型・丸型などを問わず、どの溶接アプリケーションにも合うクランプを提供して、あらゆる高度な溶接作業で各企業を支援することになったのです。
1500種類のクランプ
今日、Kifixは面積1500平方メートルの工場で、TRUMPFの最新のレーザ装置を使用して約1500種類の製品を生産しています。コア事業はクランプで、1000種類以上が存在しています。「毎月約30,000個のクランプを生産しており、ブラジルでのマーケットシェアは約80パーセントに達しています。国際市場でも成長しており、ウルグアイ、チリやメキシコだけでなく、ヨーロッパや米国など、50か国以上に製品を出荷しています」と、Kifixのフェリペ・ゴビ国際営業部長は説明しています。
Kifixのサクセスストーリーでは、TRUMPFのレーザ切断機が主要な役割を果たしています。2012年、サンティーニ社長はTruLaser 1030を購入しました。当時はまだCO2レーザを搭載していましたが、同機の導入はKifixに決定的な飛躍をもたらしました。その後、パンチ加工した板金をサプライヤーから購入する必要がなくなり、すべてを自社生産できるようになったからです。「TRUMPFの高精度のレーザテクノロジーを導入したことで、品質と生産能力を高め、製品バリエーションの幅を広げることができました。パーツの仕上げ具合だけを取ってみても、格段に良くなったことがすぐに確認できました。それに加えて、導入以降サプライヤーに依存することがなくなっています」と同社長は述べています。
精密部品から得られる巨大な力
「当社は、市場で最も強力なクランプを提供しています」とゴビ営業部長は強調しています。Kifixの最も強力なクランプが加工品を押し付けるクランプ力は、最大40,000ニュートンに達します。このトップモデルが発揮する威力は、オスのアジアゾウが1本の足で加工品の上でバランスを取っているようなものです。「ここでは板金部品の穴が鍵を握っているのですが、TRUMPFのレーザ切断機を導入して初めて必要な精度が得られるようになり、可動部品同士がピタリと合い、高い力を生み出せるようになっています」と同部長は説明しています。
生産性が高い2台のマシン:朝注文を受けて夕方に納品
2021年と2023年に、KifixはCO2マシンを2台のTruLaser 1030 fiberに置き換えました。これは、同社のように多数の小型部品を生産している製造現場に理想的なマシンモデルです。最新の固体レーザを搭載したこのマシン世代は、メンテナンスの手間がほとんどかからず、エネルギー効率が非常に高くなっていますが、同社にとっては、サイクルタイムが短いことも重要になっています。 クイッククランプはスピーディーなビジネスで、多くの顧客は朝注文して、同日中の納品を希望しているからです。
レーザ技術を活用して特注品を経済的に生産
TRUMPFのマシンを使用していることで、Kifixはユニークセリングポイントをもう一つ手に入れています。「当社はブラジルのクランプメーカーの中で、レーザ切断機を使用している唯一の企業なのです」とサンティーニ社長は誇りを込めて語っています。この優位性があることで、更なる柔軟性が確保されています。レーザ切断機を使用すれば、板金形状の調整や寸法の変更をツール交換なしで素早く行うことができるからです。「特注クランプを10日以内に納品できる体制が整っています。また、最低発注数量に左右されることがなく、少量生産でも経済的に作業しています」と同社長は解説しています。
自社の心臓部としてのTRUMPFマシン
サンティーニ社長の頭の中では、どのメーカーからレーザ切断機を購入するかが常に明快になっていました。同社長は最初から、TRUMPFの精度、信頼性と生産性に納得していたからです。「TRUMPFマシンはKifixの心臓部です。同機なくして今日の当社はあり得ません」と同社長は述べています。価格と部品品質に関して見ると、同社の競争優位性はいつの日か失われていただろう、とのことです。今日では関係が逆転し、クランプビジネスで生き残るには、Kifixと張り合わなければならない状態になっています。
サクセスストーリーは続く
Kifixを22年間率いてきたサンティーニ社長は、徐々に企業経営からリタイアすることを考えています。同社長を現在サポートし、次世代の経営者となるのが、娘のカロリーネ氏です。既に10代の頃から放課後に父親を手伝っていた同氏は、今日では本部長として益々重い責任を担うようになっています。 TRUMPFとのパートナーシップにおいて、同本部長は特にサービスを高く評価しています。「TRUMPFのサポートは一流です。マシンを購入した度に、サービスチームは時間をかけて、すべてを当社の要望に合わせてピタリと調整してくれました」と同本部長は強調しています。同本部長が経営陣に加わったことで、サンティーニ社長のサクセスストーリーが次世代に引き継がれていくことになりますが、このストーリーは、情熱と勇気をもって几帳面に仕事をすれば、一人の人間が偉業を成し遂げられることを顕著に示しています。









